AIで作ったLPはなぜ売れないのか?売上を分ける決め手は、AIの性能ではなく『渡す材料』にある

2026.10.26

AIで作ったLPはなぜ売れないのか?売上を分ける決め手は、AIの性能ではなく『渡す材料』にある

AIで作ったLPはなぜ売れないのか?

國嶋利幸

執筆者

國嶋利幸 | 代表取締役・株式会社ORENCH

Webデザイン・LP制作600件超の実績を持ち、D2C・食品・美容・健康領域を中心にランディングページと自社サイトの設計を手がける。市場分析からコンセプト設計、コピー、デザイン、公開後の改善までを一貫して担当。自社でもD2Cブランドを運営し、「作って終わり」ではなく数字が動くまで伴走する制作を行っている。


専門分野 Webデザイン・LP制作D2Cブランド設計ダイレクトマーケティングAI検索対策

主な実績

・LP制作600件以上の実績
・D2C・食品・美容・健康領域に特化
・自社D2Cブランドの立ち上げ・運営(薬院酵素ORECO)
・制作から公開後の改善まで一貫支援

本記事は株式会社ORENCH(福岡・Webデザイン/LP制作)が制作しています。

この記事の要点

AIで作ったLPが売れるかどうかは、AIの性能ではなく、AIに渡した材料で分かれます。材料のない欄をAIが埋める「空欄補完」が起きると、見た目は整っても事業者の事実ではないため、売れる理由にならず、表示の根拠も示せません。欄ごとに材料を揃えてAIに渡し、公開前にその材料と照合することが、AIでLPを作るときの要点です。


AIを使えば、LPの構成やコピーの案は短い時間で揃います。では、そうして作ったLPで本当に売れるのか。自社でAIを使って作るか、制作会社に頼むかを迷っている担当者の方も多いはずです。

この記事では、AIでLPを作るときに売れるかどうかを分けている原因を整理し、AIに任せる部分と自社で用意する部分の分け方を説明します。


売れるかどうかを分ける原因は、AIに渡した材料にある

AIか制作者か、ではない

AIで作ったLPが売れるかどうかを分けている原因は、AIが作ったか、制作者が作ったかではありません。AIに何を渡したか、つまりLPに載せる材料が揃っていたかどうかです。

AIは、渡された材料をもとに文章や構成を組み立てます。自社の数値、お客さまの声、根拠となる資料、作り手の情報。これらが渡されていれば、AIはそれを読みやすく整えます。渡されていなければ、別のもので埋めることになります。

AIでLPを作ること自体は、珍しくなくなった

総務省の『令和8年版 情報通信白書』(2026年7月公表)によると、自社の何らかの業務で生成AIを利用している日本企業の割合は86.4%です。生成AIを「積極的に活用する」「活用する領域を限定して利用する」方針の企業は合計68.9%で、前回の調査の49.7%から上がっています。

業務でAIを使うこと自体は、多くの企業にとって特別なことではなくなりました。LPをAIで作るかどうかよりも、AIに何を渡すかが問われる段階に来ています。


AIが加工できるものと、AIが持っていない事実

AIが得意なのは、渡された材料を構成し、言い換え、案を増やすこと

生成AIが力を発揮するのは、渡された情報を整理し、別の表現に言い換え、複数の構成案やコピー案を短時間で出すことです。材料があれば、その範囲で案を増やし、読みやすく整えることができます。

AIが持っていないのは、自社の商品・お客さま・実績についての事実

一方で、自社の数値、実際のお客さまの声、根拠となる資料、作り手の経歴といった、その会社にしかない事実は、事業者が渡さない限りAIの手元にはありません。

渡されていない欄があっても、AIは文章を書き上げます。そのとき、空いた欄はもっともらしい文で埋まります。この記事では、これを「空欄補完」と呼びます。


「空欄補完」が起きると、なぜ売れないのか

照明が整えられた商品撮影のセット

空欄補完とは何か

空欄補完とは、LPに必要なのに事業者が材料を渡していない欄(数値・お客さまの声・根拠・作り手の情報など)を、生成AIがもっともらしい文で埋めてしまうことです。

空欄補完が起きたLPは、見た目は整っています。構成もコピーも、読んだ瞬間は悪くないと感じます。しかし書かれている中身は、その事業者の事実ではありません。

閲覧する方が買う理由は、その会社だけの事実

似た商品が並ぶ中で、閲覧する方が一つを選ぶとき、手がかりになるのはその会社だけの事実です。誰が作ったのか。どんなお客さまが使っているのか。何を根拠にそう言っているのか。

D2C企業のEC事業担当・事業本部長として発注する側に立つと、LPを比べるときに見るのも、この「その会社だけの事実」です。どこの会社にも当てはまる文は、比較の中で選ばれる理由になりません。空欄補完で埋まった文は、まさにこの、どこにでも当てはまる文です。


空欄補完は表示のリスクにもなる

効果・性能の表示には、合理的な根拠が求められる

消費者庁が所管する景品表示法では、商品やサービスの効果・性能の表示に合理的な根拠が求められ、根拠を示せない場合は不当な表示として扱われうる仕組み(不実証広告規制)があります。

AIが書いた文であっても、LPに載せた表示の責任は、それを公開した事業者にあります。空欄補完で入った数値やお客さまの声をそのまま載せると、根拠を示せない表示になるおそれがあります。

健康食品・化粧品のLPでは、法令で禁じられた種類の表現をAIが書くことがある

健康食品や化粧品のLPでは、薬機法や健康増進法などで制限されている種類の表現を、AIが書いてしまうことがあります。AIに作らせた場合も、公開前に薬事・法務の確認を受けてください。

画像・文章が既存の作品と似ている場合の考え方

文化庁の『AIと著作権に関する考え方について』(2024年3月、文化審議会著作権分科会法制度小委員会が取りまとめ)と『AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス』(2024年7月)では、AIで生成したものが既存の作品と似ている場合、著作権の侵害になりうるという考え方が示されています。

これらは法的な拘束力を持つものではなく、現行の著作権法の考え方を整理したものです。AIで作った画像や文章を使うときは、公開前に法務担当または専門家に確認してください。


欄ごとに材料を渡し、公開前に照合する

リビングでスマートフォンを見る人

LPの各欄に、何を渡し、何と照合するか

空欄補完を防ぐ方法は、AIの性能を上げることではありません。LPの欄ごとに材料を用意してAIに渡し、AIが書いた内容を公開前にその材料と照合することです。

LPの欄 渡す材料 渡さないと空欄補完されるもの 公開前に照合する相手
ファーストビューの約束 商品・サービスが解決する課題と、それを裏づける自社の事実 どの会社にも当てはまる一般的な約束文 自社の営業資料、お客さまへのヒアリングの記録
お客さまの声 実際のお客さまの感想と、掲載の許可 実在しないお客さまの声 受け取った感想の原本、掲載の許可
数値・実績 根拠のある自社の数値 根拠のない割合や件数、他社や業界の数値を自社の成果のように書いた文 数値の元になった自社の記録
効果・性能の根拠 根拠となる資料 根拠のない効果の表現 根拠資料の原本、薬事・法務の担当
作り手・会社の情報 会社の沿革、作り手の経歴など、事実として示せる情報 事実と異なる経歴や実績 会社の公式な記録
特定商取引法に基づく表記 事業者名、所在地、連絡先、返品の条件など 不完全な表記、項目の抜け 法務の担当

材料を揃える作業は、自社に残る

表の「渡す材料」の列にあるものは、どれも自社でしか用意できません。お客さまの感想は自社が受け取ったものであり、数値の元になる記録も自社が持っているものです。

材料を揃える作業と、公開前に照合する作業は、AIを使っても自社に残ります。


AIに任せる部分と、自社で用意する部分を分ける

AIに任せてよい部分:構成・言い換え・案の増加

材料が揃ったあとの作業は、AIに任せやすい部分です。ファーストビューのコピー案を複数出す、受け取ったお客さまの声をLP向けに読みやすく整える、商品の特徴を読み手の課題から言い換える、複数の構成案を比べる。いずれも、渡した材料を活かす作業です。

自社で用意する部分:材料の準備と、事実の照合

自社に残るのは、材料の準備と、公開前の照合です。

材料の準備とは、数値・お客さまの声・根拠資料・作り手の情報を、AIに渡す前に揃えておくことです。公開前の照合とは、AIが書いた事実の部分を、揃えた材料と一つずつ突き合わせることです。この数値は自社の記録にあるか、このお客さまの声は実際に受け取ったものか、を確かめます。


制作会社に頼む場合も、渡せる材料で仕上がりが変わる

小売店のバックヤードの在庫棚

どちらで作っても、材料が成果を左右する

「AIで作るか、制作会社に頼むか」という選び方の前に、確かめたいことがあります。どちらで作る場合も、LPの仕上がりを左右するのは渡した材料だという点です。

制作会社も、受け取った材料をもとにLPを作ります。材料が揃っていれば、その会社だけの事実を載せたLPになります。材料が足りなければ、仕上がりは一般的な内容に寄っていきます。

材料の整理から相談できるかを確かめる

制作会社に頼むなら、デザインの好みだけでなく、「どんな数値があるか」「お客さまの声をどう集めているか」「根拠となる資料はあるか」といった材料の整理から一緒に進められるかを確かめておくと、仕上がりの見通しが立てやすくなります。

ORENCHは、600件を超えるLP制作と、発注側と制作側の両方を見てきた立場から、LPに載せる材料を何から揃えるかの整理を含めてご相談をお受けしています。


AIで作ったLPについて、よく聞かれること

AIで作ったLPは、制作会社が作ったLPより売れないのですか?

どちらが作るかより、渡した材料で分かれます。自社の数値・お客さまの声・根拠資料・作り手の情報といった、その会社だけの事実が揃っていれば、AIで作っても制作会社に頼んでも、それを載せたLPになります。材料が無ければ、どちらで作っても一般的な内容に寄っていきます。


AIにはどこまで任せてよいですか?

渡した材料をもとにした構成案づくり、言い換え、コピー案を増やす作業は任せやすい部分です。一方、材料を揃える作業と、AIが書いた事実の部分を公開前に材料と照合する作業は、自社に残ります。


AIが書いたお客さまの声や数値を使ってもよいですか?

自社の記録と照合できないものは使わないでください。効果・性能の表示には合理的な根拠が求められます。お客さまの声は実際に受け取り掲載の許可を得たもの、数値は自社の記録に基づくものに限ります。


AIで作った画像を使うときに気をつけることは?

文化庁の『AIと著作権に関する考え方について』などでは、AIで生成したものが既存の作品と似ている場合、著作権の侵害になりうるという考え方が示されています。法的な拘束力を持つものではありませんが、使う前に法務担当または専門家に確認してください。


健康食品や化粧品のLPをAIで作るときは?

健康食品や化粧品のLPでは、法令で制限されている種類の表現をAIが書くことがあります。AIが書いた文は、公開前に必ず薬事・法務の確認を受けてください。


今のLPをAIで作り直す前に、まず一つの欄だけ確かめてみてください。その欄に書かれていることは、自社が実際に持っている材料に基づいているか。そこから、AIに渡すべきものが見えてきます。


これは法的助言ではありません。最終的な表現の可否は、クライアントの薬事・法務担当または専門家が判断します。

参考資料

  • 総務省「令和8年版 情報通信白書」
  • 文化庁「AIと著作権に関する考え方について」(文化審議会著作権分科会法制度小委員会、2024年3月)
  • 文化庁「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(2024年7月)
  • 消費者庁「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」

LPに載せる材料の整理から、ご相談ください

  • 600件を超えるLP制作
  • D2C企業のEC事業担当・事業本部長としての発注側経験
  • 発注側と制作側の両方を見てきた立場からのご提案

AIで作るか、制作会社に頼むかを決める前に、LPに載せる材料を何から揃えるか。その整理の段階からご相談いただけます。

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