カゴ落ちが止まらない理由は、カスタマージャーニーの構成にあった|LP制作で資産を作る視点

2026.10.06

カゴ落ちが止まらない理由は、カスタマージャーニーの構成にあった|LP制作で資産を作る視点

LP制作における「カスタマージャーニー構成」とは、顧客が商品を認知してから購買に至るまでの心理的な移動経路を段階ごとに把握し、その順序に沿ってランディングページの情報配置を設計する手法です。カゴ落ちの多くは、デザインや広告ではなく、顧客の心…

國嶋利幸

執筆者

國嶋利幸 | 代表取締役・株式会社ORENCH

Webデザイン・LP制作600件超の実績を持ち、D2C・食品・美容・健康領域を中心にランディングページと自社サイトの設計を手がける。市場分析からコンセプト設計、コピー、デザイン、公開後の改善までを一貫して担当。自社でもD2Cブランドを運営し、「作って終わり」ではなく数字が動くまで伴走する制作を行っている。


専門分野 Webデザイン・LP制作D2Cブランド設計ダイレクトマーケティングAI検索対策

主な実績

・LP制作600件以上の実績
・D2C・食品・美容・健康領域に特化
・自社D2Cブランドの立ち上げ・運営(薬院酵素ORECO)
・制作から公開後の改善まで一貫支援

本記事は株式会社ORENCH(福岡・Webデザイン/LP制作)が制作しています。

この記事の要点

LP制作における「カスタマージャーニー構成」とは、顧客が商品を認知してから購買に至るまでの心理的な移動経路を段階ごとに把握し、その順序に沿ってランディングページの情報配置を設計する手法です。カゴ落ちの多くは、デザインや広告ではなく、顧客の心理段階とLP構成のズレから生じます。この構成設計を起点にすることで、制作物は単発の納品物から改善を重ねる資産へと変わります。


「広告費を積んでも、なぜか最後の一歩で離脱される」

この感覚に心当たりがあるなら、それはデザインの問題でも、商品の問題でも、広告の問題でもないかもしれません。

カゴに入れてもらえない、あるいはカゴに入っても決済されない。そのギャップの根っこにあるのは、ほとんどの場合「顧客の気持ちの流れ」と「LPの情報の並び」がずれていることです。

この記事では、そのズレをどう特定し、どう直すか。そして、一度作ったLPをどう資産として育てるかを、構成設計の視点から整理していきます。制作会社任せにする前に、発注側として持っておくべき解像度の話をします。


カスタマージャーニーとLP構成の関係性|なぜ多くの企業が見落とすのか

会議室のホワイトボードに「認知→検討→購買」のフローが描かれ、担当者が付箋を並べながらLP構成を議論している様子。午前中の自然光が差し込む落ち着いた雰囲気

LP制作の現場で「構成」と「デザイン」が分離している問題

LP制作の打ち合わせで、「どんなデザインにしますか」という話が先に出てくる場面は珍しくありません。ビジュアルイメージ、カラー、フォント。それ自体は重要な要素ですが、問題は「構成」の議論が後回し、あるいはほぼ行われないまま制作が進んでしまうことです。

デザインは構成を表現する器です。器の形をいくら磨いても、中に入れるものの順序が間違っていれば、顧客には届かない。

実際に離脱が起きている場所を見ると、ほとんどの場合「情報の欠落」か「情報の順序のズレ」です。顧客がまだ「この商品は本当に自分に必要か」を考えているタイミングで、突然「今すぐ購入」のボタンが現れる。あるいは、比較検討の根拠がないまま価格だけが提示される。こうした構成の不整合が、カゴ落ちを生んでいます。

構成を先に設計し、その上にデザインを乗せる。この順序が守られているかどうかが、LP制作の成否を分ける最初の分岐点です。

カスタマージャーニーの段階と、各段階での顧客心理

カスタマージャーニーは、顧客が商品と出会い、購買に至るまでの心理的な移動経路を表したものです。一般的には「認知→検討→購買」という流れで整理されますが、業界や商品によって段階の数や深さは変わります。

重要なのは段階の数ではなく、各段階で顧客が「何を知りたいのか」「何に不安を感じているのか」を正確に把握することです。

認知段階:顧客はまだ「自分が何に困っているか」をはっきり言語化できていないことが多い。LPに着地した瞬間、「これは自分の話だ」と感じてもらえるかどうかが勝負です。

検討段階:「なんとなく気になる」から「本当に使えるか」を検証する段階。この段階では、商品の特徴よりも「なぜこれを選ぶ理由があるのか」という根拠が必要です。

購買段階:「買おうか」という気持ちが揺れている最後の関門。ここでは不安の解消が最優先です。「もし合わなかったら」「本当に届くのか」というリスクへの答えがないと、カゴに入ったまま止まります。

この3つの心理状態に対して、LPの各セクションが対応しているかどうか。それがカスタマージャーニー構成の核心です。

なぜ「美しいLP」でもCVRが上がらないのか

見た目が整っていて、コピーも洗練されている。なのにCVRが上がらない。この状況で私が最初に確認するのは、「顧客が自分で情報を拾いに行ける構成になっているか」という点です。

美しいLPは、視線の誘導は得意です。しかし、顧客の「問い」に対して「答え」を適切なタイミングで出せていなければ、その視線誘導は離脱を加速させるだけになります。

たとえば、ファーストビューに洗練されたキャッチコピーと商品画像だけがあり、「なぜこれが必要なのか」という文脈が何もない場合、顧客は美しいビジュアルを一瞥してすぐに戻るボタンを押します。

構成設計は、顧客の「次の問い」を先読みして配置する作業です。デザインはそれを視覚的に伝える手段に過ぎません。順序が逆になっているLPは、どれだけ磨き込んでも根本的な問題が解消されません。


カゴ落ちが止まらない企業に共通する、LP構成の3つの誤り

ノートパソコンの画面にLPのヒートマップが表示され、離脱ポイントが赤くハイライトされている様子。デスク上にコーヒーカップ、静かなオフィス環境

誤り1:商品情報を詰め込みすぎて、顧客の判断軸が曖昧になっている

「これだけの情報があれば、顧客は納得して買うはずだ」という発想からくる過剰な情報量は、むしろCVRを下げます。

スペック、機能一覧、価格比較、特典、キャンペーン情報——。これらをすべて同じ重みで並べると、顧客はどこを見て何を基準に判断すればいいかわからなくなります。選択肢が多すぎると人は選ばない、という行動経済学の知見は、LP構成にも直接あてはまります。

情報量の問題ではなく、情報の「出し方の順序」の問題です。顧客の心理段階に応じて、必要な情報を必要なタイミングで提示する。それだけで、同じ情報量でも受け取られ方が変わります。

誤り2:顧客の不安や疑問に答える順序が、顧客の心理と逆になっている

「会社の歴史」「代表のメッセージ」「受賞歴」——これらは信頼形成に必要な要素ですが、顧客がそれを知りたいのは「この商品が自分に合うかもしれない」と感じた後です。

ところが多くのLPは、企業が言いたい順序で構成されています。会社の信頼性を最初に伝えたい、という気持ちはわかります。しかし顧客の心理は逆です。まず「自分の問題が解決するかもしれない」という期待を持ち、その後で「どこが作っているのか」を確認します。

この順序が逆になっているだけで、最初の数スクロールで「これは自分向けじゃない」と判断されてしまいます。

誤り3:購買後の体験や保証について、情報が不足している

カゴに入れてから離脱するケースの多くで、「最後の不安」が解消されていません。

「万が一、合わなかったら」「届くまでどれくらいかかるのか」「問い合わせはどこにすればいいのか」——これらは購買直前の顧客が必ず抱く疑問です。しかし多くのLPでは、商品の説明に力を入れるあまり、購買後の体験に関する情報が薄くなっています。

最後の一歩を踏み出す顧客が欲しいのは「安心」です。その安心を提供できる情報配置が、購買段階の構成では最優先になります。

取引条件(返品・返金・送料・配送日数など)の詳細は公式サイトまたはカスタマーサポートでご確認いただく案内が必要ですが、「サポート体制が整っている」「問い合わせ先が明確だ」という安心感はLP上で伝えることができます。


顧客の心理段階ごとに設計するLP構成の実践的フレーム

認知段階:顧客の「問題認識」を引き出す構成

LP上部でやるべきことは、顧客に「これは自分の話だ」と感じさせることです。

商品説明でも、企業紹介でもなく、まず「あなたはこういう状況ですよね」という問いかけから始める。「広告費をかけているのに、なぜかカゴで止まってしまう」「LPを作り直したのに、変化が見えない」——こうした具体的な状況描写が、顧客の注意を引き止める最初のフックになります。

この段階では、商品の特徴はまだ出さなくていい。顧客の現実に寄り添う言葉が、スクロールを続ける動機になります。

コピーで使う言語は、顧客自身が使う言葉から取るのが基本です。レビュー、問い合わせ内容、カスタマーサポートの記録——そこにある言葉をそのまま使うことで、「わかってもらえた」という感覚が生まれます。

検討段階:「なぜこの商品なのか」という根拠を示す構成

問題を認識した顧客が次に動く方向は、「で、どう解決するのか」です。この段階で顧客が求めているのは「根拠」と「比較の軸」です。

「他にも選択肢があるなかで、なぜこれを選ぶのか」という問いに、LP上で答える必要があります。ここで重要なのは、自社の強みを並べることではなく、顧客の「判断軸」に合わせて情報を選ぶことです。

顧客が重視しているのが「継続しやすさ」なのか「即効性」なのか「コスパ」なのかによって、この段階で前面に出すべき情報は変わります。ペルソナ設計が構成設計に直結している理由はここにあります。

数値実績、第三者からの評価、使用者の声——これらはすべて「根拠」として機能しますが、顧客の判断軸に合っていなければ響きません。何を根拠として示すかの選択が、検討段階の構成で最も重要な判断です。

購買段階:「今、購買する理由」を作る構成

検討を終えた顧客が購買に踏み切るためには、「今やる理由」と「リスクへの答え」の両方が必要です。

「今やる理由」は、時間的な緊急性だけではありません。「これ以上迷っている時間が、課題を長引かせる」という文脈も有効です。特にBtoB領域やD2Cでは、「始めるタイミングを逃すことのコスト」を丁寧に示すことが、最後の一押しになります。

「リスクへの答え」は、購買後の体験に関する情報です。サポート体制、問い合わせ方法、使い始めのガイド——これらをCTAの直前に配置することで、「それなら安心して試せる」という判断を促します。

CTAボタンの文言も構成の一部です。「購入する」よりも「まず試してみる」のほうが心理的なハードルが下がる場合があります。ボタン一つにも、顧客の心理段階との整合性が求められます。


制作物を資産化する|LP改善サイクルの組み立て方

デジタルホワイトボードに複数のLPワイヤーフレームが並べられ、共通の構成フレームが色分けでハイライトされている。複数人のチームが議論している俯瞰視点

初回制作で「改善の余地を残す」設計思想

「納品したら終わり」のLP制作と、「育てることを前提にした」LP制作では、初回の設計思想がまったく異なります。

改善しやすい構成の特徴は、各セクションが独立していることです。ファーストビュー、問題提起、解決策の提示、根拠、CTA——それぞれのセクションが、他と切り離しても意味をなす単位になっていれば、後々のA/Bテストが格段に容易になります。

「このセクションだけを差し替えて検証する」ができる構造にしておくことが、初回制作での最大の資産化ポイントです。最初から完璧を目指すのではなく、「仮説を検証できる状態」を作ることを目指す。この設計思想の違いが、3ヶ月後のLPのパフォーマンスを大きく分けます。

データ収集と改善を繰り返す、LPの「成長サイクル」

制作後に収集すべきデータは大きく2種類です。「どこで止まっているか」と「どこで離脱しているか」。

スクロール深度、クリックヒートマップ、離脱ポイントの分析——これらは、構成のどこが機能していてどこが機能していないかを教えてくれます。特に重要なのは、「離脱が多い場所の手前に何があるか」です。その直前のセクションが、何らかの形で顧客の疑問に答えられていない可能性があります。

データを見て改善する、また見て改善する。この繰り返しが、LPを「生きた資産」に変えます。制作時点での構成が最終形である必要はありません。むしろ、改善の余地を残した初期構成のほうが、長期的には成果を出しやすい。

複数商品・複数キャンペーンへの「構成の再利用」

一度設計した「顧客心理に基づく構成フレーム」は、他の商品やキャンペーンにも転用できます。

認知段階で顧客の問題を言語化する。検討段階で判断軸に沿った根拠を示す。購買段階で不安を解消してCTAに誘導する——この構造自体は、商品が変わっても基本的に変わりません。

変わるのは、各段階に入れる「中身」です。顧客の問題の言葉、根拠として示すデータや事例、不安の種類。これらを商品ごとに差し替えることで、構成フレームは使い回せます。

最初のLP制作に投資した「構成設計の知見」が、2本目・3本目の制作効率を上げ、同時に品質の底上げにもつながる。これが制作物を「組織の資産」として捉える視点です。


CVR改善を実現した企業の事例に見る、構成設計の工夫

事例1:カゴ落ち率が高かった企業が、構成見直しで改善した背景

あるD2C事業者のLPを見たとき、真っ先に気になったのは「何が変わるのか」が最後まで読まないとわからない構成でした。ファーストビューには商品の外観と会社のコピーライン、スクロールすると機能説明、さらに下に口コミ、最後に価格とCTA。

顧客が「自分に関係あるかどうか」を判断できるのは、かなり下までスクロールした後です。モバイルで見ている顧客の大半は、そこに到達する前に離脱していました。

変えたのは順序だけです。ファーストビューに「この商品が必要な人の状況」を言語化し、次のセクションで「なぜこれで解決するか」を示す。価格とCTAは、根拠が十分に示された後に置く。この順序の変更が、カゴ落ちの状況を変えました。数値は特定の条件下でのものなので一概に言えませんが、「変えたのは情報の順序だけ」というシンプルな改善で成果が動くケースは、決して珍しくありません。

事例2:複数商品を扱う企業が、統一された構成フレームで効率化した事例

複数の商品ラインを持つEC事業者が、商品ごとにバラバラな構成でLPを作っていた状況がありました。それぞれのLPが個別最適化されていて、改善の知見が他に活かせない状態です。

統一した構成フレームを導入することで、変わったのは制作スピードだけではありませんでした。改善の検証結果が他の商品LPにも転用できるようになり、組織全体のLP品質が底上げされました。

「構成の共通言語」を持つことで、制作会社へのブリーフィングも明確になります。「認知段階のセクションを強化したい」という指示は、全員が同じフレームを共有していて初めて通じます。

事例3:業界特性に応じた構成カスタマイズの工夫

同じカスタマージャーニーの原則でも、B2B企業とD2C企業では構成の「厚み」が変わります。

B2B企業の場合、意思決定に関わる人数が多く、検討期間も長い。LP上での「根拠の提示」は、単体で完結している必要があります。担当者がLPのURLを上長に共有して「これを見てください」と言える構成でなければ、社内決裁に使えません。ダウンロード資料や詳細情報へのリンクが、構成上の重要な役割を持ちます。

D2C企業の場合、意思決定は個人で、衝動的な購買も起きやすい。ファーストビューのインパクトと、購買直前の不安解消が特に重要です。長い説明よりも、視覚的な信頼構築(写真、口コミ、受賞歴など)が効きやすい傾向があります。

業界や商品特性を理解した上で「どこに厚みを持たせるか」を決める。これが構成カスタマイズの実践です。


カスタマージャーニー構成を実装する際の、よくある質問と対策

短いLPと長いLPでは、構成の考え方は変わるのか

顧客心理の段階を踏まえるという原則は、LPの長さに関わらず変わりません。ただし、実装の方法は異なります。

短いLPでは、各段階の情報を圧縮して1スクリーン以内に収める必要があります。「問題提起→解決策→CTA」を最小限の要素で構成する。情報の優先順位付けが、長いLPよりもシビアになります。

長いLPでは、各段階を十分に展開できます。認知段階での問題の言語化を複数のパターンで示し、検討段階での根拠を詳細に積み上げ、購買段階での不安解消を網羅的に行う。ただし、長ければ良いわけではなく、各セクションが顧客の「次の問い」に答え続けている必要があります。

長さは「顧客が決断に必要な情報量」で決まるべきものです。短くするか長くするかではなく、「どこまで書けば顧客は動けるか」を基準にすることが、構成判断の正しい軸です。

既存のLPを、カスタマージャーニー構成に改善する場合の進め方

運用中のLPを改善する場合、最初にやるべきことは「現状の離脱ポイントの特定」です。どの段階で顧客が抜けているかを、データで確認します。

次に、その離脱が起きている箇所の「前後の構成」を見ます。顧客が離脱した直前に、何が提示されていたか。そこに「答えられていない問い」があるはずです。

改善は全体を一度に変えるのではなく、最も離脱が多い箇所から着手します。一箇所を変えて検証し、効果が確認できたら次に進む。この段階的なアプローチが、リスクを最小化しながら改善を積み重ねる現実的な方法です。

改善にかかる期間は、改善の規模によって異なります。小さなセクション単位の変更であれば短期間で検証できますが、全体的な構成の見直しには時間がかかります。最新の工数感については、制作パートナーに具体的な状況を共有した上でご確認ください。

モバイルとデスクトップで、構成を分ける必要があるのか

「顧客の心理段階に沿って情報を配置する」という構成の論理は、デバイスによって変わりません。変わるのは「表示の順序と情報量」です。

デスクトップでは、横並びのレイアウトや情報の同時表示が可能です。モバイルでは縦一列になるため、同じ情報量でもスクロール量が増え、顧客の離脱リスクが上がります。

モバイルで求められるのは、より少ない情報量でより素早く「自分ごと化」させることです。ファーストビューで伝えることを絞り、CTAまでの距離を短くする。デスクトップとモバイルで「別のLP」を作るのではなく、同じ構成ロジックを「モバイル向けに圧縮する」というアプローチが基本になります。


LP制作パートナー選びで確認すべき、カスタマージャーニー対応の視点

明るいオフィスで担当者と制作会社のスタッフが向かい合い、ノートパソコンのLP画面を見ながら具体的なポイントを指し示している様子。信頼感のある落ち着いた雰囲気

「構成設計」を重視する制作会社の見分け方

制作会社への初回の問い合わせや打ち合わせで、何を最初に聞かれるかが一つの判断材料になります。

「どんなデザインにしたいですか」から始まる会社と、「顧客はどんな状況でLPに着地しますか」から始まる会社では、その後のプロセスがまったく異なります。

構成設計を重視する制作会社は、ワイヤーフレームやLP構成案を提案できます。単なるデザインカンプだけでなく、「なぜこの順序で情報を配置するか」の説明ができる会社かどうか。過去の事例でも、「このLP制作でどういう構成上の判断をしたか」を語れる担当者がいるかどうかを確認することをお勧めします。

制作後の「改善サイクル」に対応できるパートナーか確認する

「納品したら終わり」の制作会社と、「納品後も一緒に改善する」制作会社では、初期費用以外のコストと成果が大きく変わります。

確認すべきは、データ分析の体制があるかどうか、そして改善提案を定期的に行う仕組みがあるかどうかです。LP制作は初回制作よりも、その後の改善サイクルのほうが成果への寄与が大きいケースがほとんどです。

長期的な伴走を前提にした契約形態があるか、改善の優先順位をどう決めるかを明確に話せるパートナーかどうか。これらは初期打ち合わせの段階で確認できます。

業界知識と「顧客心理の理解」を兼ね備えているか

D2C企業やEC企業のLP制作で特に重要なのは、「売上に対する解像度」です。デザインスキルだけでなく、CVR改善の文脈で「何を変えれば成果が動くか」を判断できる経験があるかどうか。

業界や商品カテゴリへの知識があれば、「この業界の顧客は検討段階でここを特に不安に思う」という具体的な構成判断ができます。汎用的なLPテンプレートを当てはめる制作ではなく、その商品・その顧客に固有の構成設計ができるパートナーを選ぶことが、長期的な成果につながります。

初回相談の際に「弊社の顧客はどういう状況でLPに来ると思いますか」と聞いてみてください。その回答の解像度が、パートナーとしての適性を測る一つの指標になります。


LP制作前に確認しておきたい構成チェックポイント

確認項目 チェックポイント
顧客の問題認識が、LPの上部で明確に示されているか 顧客が「自分のことだ」と感じる問いかけや状況描写が、ファーストビューに含まれているか
各段階での情報が、顧客の心理順序に沿って配置されているか 認知→検討→購買の流れで、必要な情報が段階的に提示されているか
購買直前の不安や疑問に、十分に答える情報が配置されているか サポート体制・使用方法など、購買後の体験に関する情報が明記されているか
各セクションが独立した構成になっており、改善しやすいか A/Bテストやセクション単位での改善が容易な設計になっているか
モバイルでも、顧客心理の段階化が損なわれていないか デバイスごとの表示制約の中でも、構成の論理性が保たれているか

LP制作のよくある疑問、構成のリアルに答えます

Q. カスタマージャーニーの段階は、必ず3段階(認知・検討・購買)なのか?

A. 3段階はあくまで一般的な整理の仕方です。業界や商品によって段階数は変わります。高単価の商品であれば「比較検討」の段階がさらに細分化されることが多く、衝動的な購買が起きやすい商品は「認知」と「購買」がほぼ同時に発生することもあります。重要なのは段階の数ではなく、「顧客の心理的な移動経路を正確に把握し、その順序に沿ってLP構成を設計する」ことです。自社の顧客データを分析し、実際の購買プロセスに合わせた段階設計を行うことをお勧めします。

Q. 既に運用中のLPを改善する場合、どのくらいの時間がかかるの?

A. 改善の規模によって大きく異なります。特定のセクションの順序を変えるような小規模な改善であれば比較的短期間で検証できますが、構成全体を見直すリニューアルになると相応の時間がかかります。現状分析(どこで離脱が多いか)から始めて、優先度の高い箇所から段階的に改善していくアプローチが、リスクを最小化しながら成果を積み上げる現実的な方法です。具体的な工数はLPの現状と改善範囲によるため、制作パートナーに状況を共有した上でご確認ください。

Q. 構成を改善したら、CVRはどのくらい上がるの?

A. CVRの変化幅は、業界・商品・現状のLP品質によって大きく異なります。「構成を変えたらCVRが◯倍になる」という断定は正直なところできません。ただし、構成改善は「デザインのリニューアル」よりも成果に直結しやすいことは、多くの実例が示しています。重要なのは一度の改善で終わるのではなく、データに基づいた継続的な改善を行うことです。

Q. 複数商品を扱う場合、全部同じ構成フレームを使っていいの?

A. 基本的な構成ロジック(顧客心理の段階化)は共通して使えますが、中身はカスタマイズが必要です。高単価商品と低単価商品では検討段階の深さが異なり、BtoBとBtoCでは判断に関わる人数と情報量の要件が変わります。統一フレームを使いながらも、各商品・各顧客層の特性に合わせて「各段階に入れる情報の種類と量」を調整することが効果的です。

Q. 構成を改善したら、カゴ落ち率はどのくらい減るの?

A. カゴ落ちの原因は構成だけでなく、支払い方法の選択肢、サイトの表示速度、セキュリティ表示など複数の要因が絡んでいます。構成改善が有効に機能するのは、「顧客の心理段階とLP構成のズレ」がカゴ落ちの主因になっているケースです。まず現状の離脱データを分析し、どの要因が最も影響しているかを特定することが先決です。構成改善と合わせて、支払い方法の充実やセキュリティ表示の見直しも組み合わせることで、より総合的な改善が期待できます。


構成設計の話を聞いていると、「やることが多い」と感じる方もいるかもしれません。ただ、今日この記事を読んだだけで、一つわかったことがあるはずです。

自社のLPが今どの段階の顧客に向けて作られているか——それを、今夜のちょっとした時間に確認してみてください。ファーストビューを見て、「ここに来た顧客は何を最初に知りたいか」を考えるだけでいい。答えはすぐに出なくていい。問いを持つことが、構成設計の第一歩です。

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