コーポレートサイト制作で問い合わせが来ない?LP離脱率を下げる顧客セグメント戦略

2026.10.12

コーポレートサイト制作で問い合わせが来ない?LP離脱率を下げる顧客セグメント戦略

コーポレートサイト制作で問い合わせが増えない根本原因は、訪問者を一括りにしたサイト設計にあります。購買段階や属性が異なる訪問者に同じメッセージを届けても、誰の心にも届かない。セグメント別に情報を設計することで、訪問者は「自分のための情報がこ…

國嶋利幸

執筆者

國嶋利幸 | 代表取締役・株式会社ORENCH

Webデザイン・LP制作600件超の実績を持ち、D2C・食品・美容・健康領域を中心にランディングページと自社サイトの設計を手がける。市場分析からコンセプト設計、コピー、デザイン、公開後の改善までを一貫して担当。自社でもD2Cブランドを運営し、「作って終わり」ではなく数字が動くまで伴走する制作を行っている。


専門分野 Webデザイン・LP制作D2Cブランド設計ダイレクトマーケティングAI検索対策

主な実績

・LP制作600件以上の実績
・D2C・食品・美容・健康領域に特化
・自社D2Cブランドの立ち上げ・運営(薬院酵素ORECO)
・制作から公開後の改善まで一貫支援

本記事は株式会社ORENCH(福岡・Webデザイン/LP制作)が制作しています。

この記事の要点

コーポレートサイト制作で問い合わせが増えない根本原因は、訪問者を一括りにしたサイト設計にあります。購買段階や属性が異なる訪問者に同じメッセージを届けても、誰の心にも届かない。セグメント別に情報を設計することで、訪問者は「自分のための情報がここにある」と感じ、離脱を防ぐことができます。


「サイトを作り直したのに、問い合わせが一件も増えない」

そう打ち明けてくれた経営幹部の方が、ここ数年で何人もいました。デザインは整っている。ページも充実している。なのに、数字が動かない。

その多くに共通していたのは、見た目の問題ではありませんでした。サイトを訪れる人たちを「誰か分からないまま」迎えていた——それだけでした。

この記事では、コーポレートサイトのLP離脱率が下がらない本質的な理由と、訪問者セグメントを軸にした設計の考え方を、具体的に整理していきます。

デスクの上に広げられたサイト分析レポートとノートパソコン、朝の光が差し込むオフィスの静かな空気

問い合わせが来ないサイトの共通点:セグメント設計の落とし穴

スマートフォンの画面を見る人物の手元、ページをスクロールする途中で止まった瞬間、都市の喧騒の中

訪問者を一括りにしたメッセージの危険性

御社のコーポレートサイトに、今日訪れた人を想像してみてください。

競合他社と比較しながら検討している調達担当者。採用候補として会社の雰囲気を確かめに来た学生。知人に紹介されて「どんな会社か」を一度見てみようと思った経営者。ブランドのファンとして新しいサービスを確かめに来た既存顧客。

この四者が、同じページを見ています。そして同じ一文を読んでいます。

「私たちは、お客様の課題を解決する総合サービスを提供しています」

誰かの心に刺さりましたか?

刺さっていません。全員に届く言葉は、結果として誰にも届きません。購買検討中の担当者は「で、何が他社と違うの?」と思い、既存顧客は「私向けの情報はどこ?」と感じ、採用候補者は「なんかよく分からないな」と閉じる。

訪問者を一括りにしたメッセージ設計は、サイトの見た目がいくら整っていても、問い合わせを生まない構造的な欠陥です。

LP離脱率が高い理由は「ターゲット不在」

あるD2Cブランドのサイト改善に関わったとき、最初に確認したのはヒートマップと離脱ポイントでした。ページの上部から中盤にかけて、急激に離脱が起きていた。

その原因を探ると、ファーストビューに並んでいたのは「会社の沿革」「代表メッセージ」「取引先ロゴ」。商品を探しに来た訪問者にとって、これらは「自分のための情報ではない」と判断されるコンテンツです。

人が離脱するのは、ページが重いからでも、デザインが古いからでもありません。「自分に関係ない」と感じた瞬間に、指が動くのです。

この「ターゲット不在」の状態を解消するには、デザインのリニューアルより先にやることがあります。訪問者を「誰なのか」「今どんな状態なのか」で分ける、セグメント設計です。


なぜ訪問者セグメントの見直しが必要なのか

購買段階ごとに異なる情報ニーズ

コーポレートサイトに訪れる人は、みな同じ購買段階にいるわけではありません。大きく分けると、次のような段階があります。

認知段階:「この会社、何をしているの?」が最初の問いです。詳細な機能説明は早すぎる。まず「何者で、誰のための会社か」を端的に伝えることが優先されます。

比較検討段階:「他社と何が違うの?」という問いに移ります。導入事例、実績の具体性、アプローチの独自性が求められます。ここで情報が薄いと、比較リストから外れます。

購買直前段階:「本当に任せて大丈夫か?」という問いです。担当者との相性感、問い合わせの手軽さ、信頼を裏付ける第三者の声が効きます。

同じ一枚のサイトで、この三者全員に「自分のための情報がある」と感じさせることは、設計なしには不可能です。情報は揃っているのに問い合わせが来ない——という状況の多くは、この段階のミスマッチが原因です。

業界・業種による情報ニーズの違い

さらに難しいのは、同じ「比較検討段階」でも、業界によって求める情報の質が変わることです。

健康食品・D2C領域の経営幹部が見たいのは「ブランドの世界観」と「顧客との関係性」です。採用する制作会社に、自社のファンをどれだけ増やせるかを問うている。

一方、製造業のBtoB企業が見たいのは「技術力」「価格帯の目安」「担当者の専門性」です。感性より論理で判断を下す。

同じ「コーポレートサイト制作」というキーワードで検索している人でも、この二者には異なる訴求が必要です。セグメント設計は、業界の特性を踏まえて初めて機能します。

総務省『令和8年版 情報通信白書』(2026年)によれば、インターネットを通じた情報収集は企業規模・業種を問わず定着しており、意思決定の初期段階でWebサイトが参照される傾向が続いています。この文脈で考えると、「誰に向けて発信しているか」が明確でないサイトは、意思決定の入口で脱落するリスクが高まります。


薬機法で言いたいことが言えない業界での対策

白を基調とした清潔なオフィスで、担当者がホワイトボードに図を描きながら議論している場面

規制がある業界こそセグメント戦略が活躍する理由

健康食品、医療機器、化粧品。薬機法の制約がある業界のWeb担当者から、よくこんな相談を受けます。

「言いたいことが言えないんです。だからサイトが薄くなる。薄いから問い合わせが来ない」

この悩みは本当によく分かります。「○○に効果的」「症状が改善」と書けないなら、一体何を書けばいいのか。気づくと、どのブランドも似たような「身体に寄り添う」「丁寧なものづくり」という表現だけが並ぶサイトになっていく。

しかし、視点を変えると、この制約は実はセグメント戦略の出番です。

「全員に同じメッセージを届けるのが難しい」なら、「各層に対して言える範囲の最適解を届ける」に切り替える。制約の中に戦略の余地があります。

セグメント別アプローチで「言える情報」を最大化する

具体的にどう設計するか。

既存顧客に向けては「継続することの価値」を丁寧に伝えられます。初めて知る人に伝える必要がある基本的な説明を省き、代わりに「続けている人のライフスタイル」「製造へのこだわり」「ブランドの姿勢」を深く語れる。

新規顧客に向けては「選ぶ際の判断基準」を整理する形で情報を設計します。「何が含まれているか」「どんな人が作っているか」「なぜこのブランドが存在しているか」——効能を語らずとも、選択の根拠になる情報は多くあります。

比較検討中の顧客に向けては「他社との構造的な違い」を、誇張なく事実で示す。原材料、製造過程、ブランドの背景。これらは薬機法の制約の外にある情報です。

セグメントを明確にすることで、「言える範囲で最大限」の情報設計ができるようになる。制約があるからこそ、戦略が光ります。


セグメント別メッセージ設計の実践ステップ

訪問者を複数のセグメントに分ける

実践の第一歩は、「誰が来ているのか」を言語化することです。

多くの企業がこのステップを飛ばして制作に入ります。「ターゲットは30代の経営者です」——それだけでは足りない。30代の経営者が、どんな目的でサイトに来るのか。どんな不安を持っているのか。何を見たら「ここに頼もう」と思うのか。

分け方の一例を挙げると、次のような軸が使いやすいです。

  • 購買段階別:初めて知った人/比較検討中の人/発注直前の人
  • 役割別:最終意思決定者/担当者レベルの情報収集者/現場の実務担当者
  • 関係性別:新規訪問者/既存顧客/元顧客

業界や商品の特性によって最適な分け方は変わります。ただし、分けずに全員を一括りにすることだけは、確実に問い合わせを逃します。

各セグメントに対して「最適な情報」を配置する

セグメントが定まったら、次はそれぞれに届ける情報の優先順位を決めます。

新規顧客であれば「このブランドは何者か」「誰のためにあるのか」を最初に示す。比較検討中であれば「なぜ自社を選ぶべきか」の根拠を、感情と論理の両面で提示する。発注直前であれば「問い合わせした後に何が起こるか」を安心させる情報を置く。

よくある失敗は、全部のページに全部の情報を詰め込もうとすることです。情報が多いほど、訪問者は「自分向けの情報はどこ?」と探し疲れて離脱します。

「何を置くか」と同じくらい「何を置かないか」が、セグメント設計の精度を決めます。


LP離脱率を下げるコンテンツ構成の工夫

ノートパソコンの画面に表示されたヒートマップ解析画面、夜のオフィスでデータを見つめる人物の横顔

ファーストビューで「あなたのための情報がここにある」と伝える

訪問者がサイトに着地した最初の数秒で、「このサイトは自分に関係がある」と感じさせられるかどうか——これがLP離脱率を大きく左右します。

その数秒で訪問者が判断しているのは、デザインの美しさではありません。「自分が解決したい課題について、このサイトは語っているか?」です。

ファーストビューのキャッチコピーが「あらゆる課題を解決する」「信頼と実績で選ばれています」といった全方位的な表現になっているなら、それは誰にも届かないメッセージです。

D2Cブランドであれば、ターゲット顧客の日常のシーンからコピーを作ることが有効です。「ECサイトに広告費を投じているのに、CVRが動かない」——このような課題感の言葉は、まさにその悩みを抱えた人だけに刺さります。全員向けでないことが、特定の人への届き方を強くします。

セグメント別のナビゲーション設計(「初めての方はこちら」「既存顧客の方はこちら」)も、訪問者が「自分のための入口がある」と感じる手がかりになります。

スクロール深度を高めるための段階的な情報提示

離脱を防いだ後の課題は、読み続けてもらうことです。

効果的なのは、「概要→具体→証拠→行動」という段階的な情報構成です。

最初にブランドや課題の全体像を示す。次に、その解決策の具体的なアプローチを説明する。そして、実際にどう機能したかの事例や根拠を添える。最後に、次のアクション(問い合わせ・資料請求・相談)へ自然につなぐ。

この流れは、訪問者の「次を知りたい」という気持ちに沿っています。各セクションが次のセクションへの「問い」を生む構造になっていれば、スクロールは止まりません。

特にD2C領域では、「誰が作ったか」「なぜ作ったか」というブランドの背景が、その後の購買意欲に大きく影響します。セグメント別に、この「物語の深め方」を設計することで、単なる情報閲覧から「このブランドを信頼したい」という気持ちへの転換が起きます。


成果に直結するサイト制作パートナーの選び方

「作る側」ではなく「発注側の経験」を持つパートナーを選ぶ

制作会社を選ぶとき、多くの経営幹部がポートフォリオのデザインを見ます。「きれいなサイトを作れるかどうか」を基準にする。それ自体は間違っていないのですが、決定的に重要な観点が抜け落ちていることがあります。

「この会社は、発注側の痛みを知っているか?」

制作を受ける側の経験だけを持つパートナーは、デザインと技術の話は得意です。しかし、「このページの何を変えれば問い合わせが動くか」「セグメント別に訴求を変えると何が変わるか」という成果の議論になると、言葉が薄くなることがあります。

発注側の経験——つまり、予算に責任を持ち、数字で成果を求められた側の経験——を持つ人が制作の意思決定に関わっているか。それがパートナー選びの重要な確認軸です。

「何を変えたか」で成果への姿勢を確認する

数値実績を確認することは大切ですが、もう一歩踏み込んで「何を変えたから数字が動いたのか」を語れるパートナーを選ぶことが重要です。

「デザインを変えました」ではなく、「訪問者のセグメントを再定義し、ファーストビューのメッセージをそれぞれの購買段階に合わせて再構成しました」——このレベルで語れるパートナーは、次の改善提案も具体的です。

また、制作後の継続的な関わりについて確認することも欠かせません。納品で関係が終わるパートナーと、公開後もデータを見て改善提案を続けるパートナーでは、1年後の結果が変わります。

こんな観点で、候補のパートナーに問いかけてみてください。

「過去の案件で、何を変えたときに数字が動きましたか?」

答えの具体性が、そのパートナーの「成果への解像度」を教えてくれます。

観点 確認ポイント 判断の仕方
発注側経験 制作だけでなく運用・成果責任の経験があるか 「自分が発注者だったとき何を重視したか」を聞いてみる
セグメント設計 訪問者の分類と訴求設計を提案できるか 「どうやってターゲットを定義しますか」を聞いてみる
改善の継続性 公開後も数字を見て提案してくれるか 「制作後の関わり方」を具体的に確認する
業界理解 自社の業界特性(薬機法等)を理解しているか 過去に同業種の案件があるかを確認する

継続的な改善で問い合わせを増やす仕組み

夜の静かなデスクでノートパソコンを開きながら自社サイトを見直している人物、内省的で落ち着いた光の雰囲気

セグメント別のデータ分析で改善ポイントを発見する

サイトを公開したあとに始まるのが、本当の仕事です。

セグメント別に、どのページでどれだけ離脱が起きているか。どのセグメントからの問い合わせが多く、どのセグメントからが少ないか。これをデータで追うことで、「どこを変えれば次の改善が起きるか」が見えてきます。

例えば、「比較検討段階のセグメントへの訴求ページで離脱が高い」という事実が見えたとします。次の問いは「なぜ離脱しているか」です。情報が足りないのか、情報が多すぎるのか、問い合わせへの導線が分かりにくいのか。データは「何が起きているか」を教えてくれますが、「なぜか」を考えるのは人間の仕事です。

このサイクルを継続するためには、分析とその解釈を担える人が関わり続ける必要があります。

伴走型パートナーとの定期的な改善サイクル

コーポレートサイトは、完成した瞬間から古くなり始めます。訪問者のニーズは変わり、競合の動きも変わり、検索エンジンのアルゴリズムも変わる。

「作って終わり」の制作会社に依頼したことで、納品後に放置された経験を持つ方は少なくありません。その苦い経験が、次の発注への慎重さを生んでいる。

伴走型のパートナーが価値を発揮するのは、納品後です。月次でデータを確認し、「先月のこのページの離脱率がここまで下がった理由はこれです。次はここを変えましょう」という提案を継続的にできるかどうか。それが、問い合わせを1年かけて積み上げていく力になります。

パートナーを選ぶとき、「制作後、どう関わってくれますか?」という問いを必ず入れてください。この答えに、そのパートナーの本気度が出ます。


今夜、少し時間があれば——自社のコーポレートサイトのトップページを開いて、一つだけ考えてみてください。「このページは、初めて来た人に向けて書いているか、それとも自社の都合で構成されているか」。その問いの答えが、改善の最初の一歩を教えてくれます。


サイト改善を始める前に整理しておきたいこと

項目 内容
現状の訪問者分析 どのセグメントがどれだけ来ているかをデータで把握する
セグメントの言語化 訪問者を「誰が」「何の目的で」「どんな状態で」来ているかで分ける
メッセージの優先順位 各セグメントに対して「何を最初に伝えるか」を決める
改善の継続体制 公開後のデータ確認と改善提案を誰が担うかを確認する
パートナーの確認 発注側経験・セグメント設計の提案力・継続関与の体制を聞く

コーポレートサイト制作でよくある質問

セグメント戦略を始めてから、問い合わせが増えるまでどのくらいかかる?

サイトの現状と業界特性によって異なりますが、セグメント別のメッセージ設計と継続的な改善を始めてから、変化が数字に現れ始めるまで3〜6ヶ月を目安にするケースが多いです。重要なのは「一度作ったら終わり」ではなく、データを見ながら繰り返し改善し続けることです。

既存のコーポレートサイトに、あとからセグメント設計を導入できる?

はい、可能です。ただし、サイトの構造やコンテンツの大幅な見直しが必要になるケースも多くあります。まず現在のサイトのどこで離脱が起きているかを分析し、影響が大きい箇所から優先して着手するのが現実的な進め方です。リニューアルより先に「何を変えるか」を整理することが重要です。

薬機法の制約がある業界でも、セグメント戦略は使えるの?

むしろ、規制がある業界ほどセグメント戦略が力を発揮します。「全員に言えることが少ない」からこそ、訪問者を分けて「各層に言える範囲で最適なメッセージ」を届ける設計が有効です。規制の中で何を伝えられるかを整理したうえで、セグメント別に訴求を組み立てることで、薄いメッセージを避けられます。薬機法対応の経験があるパートナーと一緒に進めることが安心です。最新の法令の確認は公式サイトまたは担当窓口にお問い合わせください。

セグメント戦略の導入に、どのくらいの予算を想定すればいい?

サイトの現状、改善の範囲(ページ数・コンテンツの質)、分析ツールの導入有無など、複数の要素によって大きく変わります。まず現状分析を行い、「どこから着手するか」を決めた上で、必要な範囲の見積もりを取ることが現実的です。予算感の詳細は、候補のパートナーに現状を伝えた上で相談することをお勧めします。最新の料金条件は各社の公式サイトまたはサポート窓口でご確認ください。

WEB制作パートナーを選ぶとき、何を一番重視すべき?

「デザインの見た目」より「自社の課題を理解しているか」が最も重要です。セグメント設計や訴求の言語化、制作後の継続的な改善提案ができるかどうか。そして、発注側・運用側の経験を持つ人が意思決定に関わっているかを確認してください。「過去の案件で何を変えたときに数字が動きましたか?」という問いかけへの答えの具体性が、パートナーの解像度を示します。

参考資料

  • 総務省『令和8年版 情報通信白書』(2026年)

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